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7月22日(土)に、宝塚ベガ・ホールにおいて、第38回目となる「宝塚国際室内合唱コンクール」を開催しました。
今年は4年ぶりに海外の審査員及び合唱団も参加。コンクールで優秀な成績を収めた団体は、7月23日(日)に開催される特別演奏会に出演します。

◆総合1位
混声部門 : ≪EST≫シンガーズ (三重県)

◆総合2位
同声部門 : mugs(東京都/埼玉県)

◆総合3位
ジュニア部門 : 京都女子高等学校コーラス部(京都府)

◆兵庫県知事賞(国内団体の最高位)
混声部門 : ≪EST≫シンガーズ (三重県)

◆宝塚市長賞
(シニア部門の最優秀団体)
該当なし

◆宝塚市教育長賞
(ジュニア部門の最優秀団体) 
京都女子高等学校コーラス部(京都府)

◆聴衆賞
(無差別級部門の聴衆投票数最多獲得団体)
Terra Voce (インドネシア)

◆ジュニア部門
 金賞 佐倉ジュニア合唱団(千葉県)
 金賞 京都女子高等学校コーラス部(京都府)
 金賞 Ensemble SAKAE(埼玉県)
 銀賞 岡山白陵中学・高等学校合唱部(岡山県)
 銀賞 清教学園中・高等学校合唱部(大阪府)
 銅賞 埼玉栄高等学校コーラス部(埼玉県)
 銅賞 Paduan Suara SMAN 15 Surabaya(インドネシア)

◆シニア部門
 銀賞 女声合唱団コール・ブリランテ(大阪府)
 銅賞 Aves Juvenes(愛知県)

◆同声部門
 金賞 mugs(東京都/埼玉県)
 銀賞 Nelken Chor(奈良県)
 銀賞 CancaoNova(兵庫県/東京都/静岡県)

◆混声部門
 金賞 ≪EST≫シンガーズ(三重県)
 銀賞 Voces Ksa:na(大阪府)
 銀賞 Ensemble Carpe Diem(兵庫県)
 銀賞 Paduan Suara El - Shaddai Universitas Sumatera Utara(インドネシア)
 銅賞 Terra Voce(インドネシア)
 銅賞 混声合唱団「花みずき」(兵庫県)


≪EST≫シンガーズ


昨年に引き続き、2022年度(第37回)は、ジャンル不問、曲目不問、部門分けも無しの特別編で実施。各合唱団の特色が光る、バラエティ豊かなステージになりました。また、今回初めてオンライン部門を開催。最優秀賞・優秀賞・優良賞に加え、一般のみなさまの投票により聴衆賞が決定しました。

◆第1位
Ensemble Carpe Diem(兵庫県)

◆第2位
VOCI BRILLANTI(愛知県)

◆第3位
Voces Ksa:na(大阪府)

◆兵庫県知事賞(国内団体の最高位)
Ensemble Carpe Diem(兵庫県)

◆宝塚市教育長賞
(出場合唱団員の平均年齢が19歳以下の団体のうちの最優秀団体) 
京都女子高等学校コーラス部(京都府)

◆宝塚市長賞
(出場合唱団員の平均年齢が60歳以上の団体のうちの最優秀団体)
該当なし

◆オンライン部門
<最優秀賞> 
埼玉栄高等学校コーラス部(埼玉県)
<優秀賞>  
Vocal Ensemble 歌家(兵庫県)
St. Joseph's College Chamber Boys' Choir(香港)
PENS Students Choir(インドネシア)
<優良賞>  
女声合唱団 コール・ブリランテ(大阪府)
<聴衆賞>  
埼玉栄高等学校コーラス部(埼玉県)


Ensemble Carpe Diem


審査講評


審査員長:野本 立人(合唱指揮者・兵庫教育大学大学院教授)


 みなさんお疲れ様でした。そして、おめでとうございます。まだ結果を発表していないのに、「おめでとう」とは不思議ですが、コンクールを開催できたことに、まずはおめでとうと申し上げたいと思います。
 このコンクールは、一昨年はコロナ禍のために開催できず、昨年は規模を縮小して開催しました。今年は昨年より参加団体が増えたものの、参加団体数の関係で、ノンカテゴリーで開催することになりました。参加団体がもう少し少なかったら開催すらできないところでした。みなさまご参加いただき、ありがとうございました。
 そういう中でのコンクールでしたので、本日みなさまの歌を聴いてみないと、蓋を開けてみないと分からない、という気持ちで聴かせていただきました。しかし、とても素晴らしい演奏が続いて、ほっとすると同時に、何度も感動いたしました。こんな演奏ができるんだな、こんな状況の中でも音楽を奏でられるんだなという幸せが何度もありました。本当にありがとうございました。
 全体の講評として一つだけ、私はこのベガ・ホールとのお付き合いは20年くらいになりますが、大変素晴らしいホールです。本当に価値のあるホールです。みなさんの周りの壁はレンガで出来ており、一つ一つ手作業で割ったものをはめ込んであります。これの良さは、ベターッとした壁であれば、反射が一辺倒になってしまいますが、手作業で割ったレンガがはまっているおかげで、このホールでたくさんの乱反射が起きています。なので、ナチュラルな音がします。皆さんがステージに立っていて、私が一番後ろの席で聴いていても、最弱音のピアノの音でもとても大きな音のフォルテでも、どれも素直にナチュラルに聴こえます。これがこのホールのすごくいいところです。このホールの響きはなかなか他にはないと思います。そうするとこのホールの鳴り方、響き方をちゃんと使い切れた、利用し切れたという演奏はやはりしっくりくると感じました。一方で、どこに行っても同じように歌うという団体もあるかと思いますが、鳴りすぎている、音の飽和状態が起きていることを感じる演奏もありました。そういう意味では、このホールの良さをどうやって活かしきれたかということが重要になりました。
 さて、今日はマレーシアから岸本先生がいらしてくださっていますので、一言いただきたいと思います。


審査員:岸本 正史(合唱指揮者・マレーシア国立マラ工科大学音楽学部教授)

 私はマレーシアに住んで9年目になります。その前にはタイで2年間合唱を教えていました。海外に住んで、同じ合唱をしていますと、日本が裕福であること、みんなが恵まれていることを実感します。学校に行けば、教室があって、音楽室にピアノがあって、クーラーがあり、電気があって、窓が閉まって雑音が入ってこない。マレーシアにはコンサートホールがありません。ベガ・ホールのようなコンサートホールがもっとあったら、音楽の文化が栄えると思います。日本は違う街に行けばまた別の素敵なコンサートホールがあり、次はどこでコンサートをしよう、どこで練習しようということがすぐできる環境にありますが、日本を離れますとそんなことは全くありません。みなさん最高の環境の中で合唱ができていることに感謝して一日一日を過ごしてほしいと思います。
 日本には他にも全国規模のコンクールがありますが、この宝塚国際室内合唱コンクールが、それらと違うところはやはり選曲の重要性だと思います。私たちが審査をするうえで、「この団体を来週フランスの国際大会に推薦したときに賞をとれるだろうか」、「この選曲で、来年イタリアで賞がとれるだろうか」など、国際的なレベルでちゃんと評価されるかどうかを考えると、やはり選曲にかかってくると思いました。それらをよく考え、国際コンクールに参加するという意義を踏まえて取り組んだ団体、そして技術的な面でバランスのとれた団体が今回は大きく評価されたと思います。
 国際コンクールはたくさんあります。色々なレパートリーに踏み入れることも楽しみのひとつだと思いますので、ぜひチャレンジし、海外に飛び出していただけたらと思います。


宝塚国際室内合唱コンクール委員会理事長 スピーチ


本山 秀毅(宝塚国際室内合唱コンクール委員会 理事長)

 本日、1位を受賞されたEnsemble Carpe Diemが最後に「Libera me」を演奏されました。「Libera me」はレクイエムの最後の曲で、「私を解放してください」、「救ってください」という意味です。様々な社会の状況において、我々は合唱の持っている歌詞に、非常に敏感になっています。そして、その歌詞の意味を深く考え、音楽とともに発信する時代になってきました。最後の「Libera me」という曲は、ウクライナで困難に直面している人のことを考えると、色々な想像も膨らみますし、それを作曲家が音にしたということを踏まえると、我々演奏する者としての責任も感じます。
 今日のコンクールは、演奏して賞が決まったことにも意味があると思うのですが、この時代にコンクールとして開催できたことに、非常に大きな意味があると思います。
 昨年も同じことを申し上げましたが、いまだ困難な社会状況が続く中で、このような形でみなさまとともにこのコンクールを開催できたこと、またここに至るまでには、宝塚市文化財団のみなさま、そして本コンクール委員会のみなさま、そのほか大勢の方のサポートでこのコンクールが成立していることに、改めて感謝の意を伝えたいと思います。
 昨年、この場で我々がコロナ禍の中でともに進んでいこうという意味を込めて発信した「宝塚宣言」を、本日もう一度ここで読み上げさせていただいて、これからの我々の進む道を改めて共有していきたいと思います。

宝塚宣言

われわれ「共に声を合わせて歌うこと」を愛する者たちが、今日、この場に集い、育んできた音楽を披露し、お互いがその価値を認め合う時間を持つことが出来たことを心から誇りに思い、また共に喜びたいと思います。

時代は、われわれが想定し得なかった状況に向かい始め、そのことによって音楽は、かつてない厳しい環境に置かれています。しかしこの状況下であっても「音楽」、そして「声を合わせて歌うこと」、またそれらに関わることの価値は、些かも損なわれることなく微動だにするものではありません。

一日も早く、以前のような豊かな歌声が皆さんの周囲を満たし、そしてこのコンクールが遠く海外の合唱人をも加えて発展することを心から願います。

今日われわれがこの場で新たにした思い、大切だと感じた事柄を今一度胸に留め、継承するために力を尽くし、今後、われわれがこのコンクールの場、そしてそれぞれが関わる合唱活動の場を通して、さらに音楽の高みを目指そうではありませんか。


海外団体 過去の参加状況


第1回(1984年)


総合1位
京都アカデミー合唱団(京都府)
総合2位
合唱団「六月の歌声」(宮城県)
総合3位
クロスロードシンガーズ(東京都)

第2回(1985年)

総合1位
コール・マルベリー(神奈川)
総合2位
京都アカデミーカンマーコア(京都府)
総合3位
L.S.O.T・シニアーコアー(東京都)

第3回(1986年)

総合1位
SCHOLA CANTORUM GEDANENSIS(ポーランド)
総合2位
SCHOLA CANTORUM GEDANENSIS(ポーランド)
総合3位
GHUGYE MADRIGAL SINGERS(大韓民国)

第4回(1987年)

総合1位
Korea Christian Women's Chor(大韓民国)
総合2位
コール・マルベリー(神奈川県)
総合3位
グレイスシンガーズ(兵庫県)

第5回(1988年)

総合1位
北京放送合唱団 女声合唱(中国)
総合2位
Antwerp Bach Choir(ベルギー)
総合3位
京都アカデミー合唱団(京都府)

第6回(1989年)

総合1位
PRO MUSICA CHAMBER CHOIR(スウェーデン)
総合2位
MIWO Madrigal Singers(岐阜県)
総合3位
京都アカデミー合唱団(京都府)

第7回(1990年)

総合1位
Jauna Muzika(リトアニア)
総合2位
京都アカデミー合唱団(京都府)
総合3位
コール・マルベリー(神奈川県)

第8回(1991年)

総合1位
エストニアフィルハーモニック室内合唱団(エストニア共和国)
総合2位
21世紀女声合唱団(大韓民国)
総合3位
京都アカデミーカンマーコア(京都府)

第9回(1992年)

総合1位
フィグラル合唱団(ドイツ)
総合2位
アルメニア放送室内合唱団(アルメニア)
総合3位
長庚室内合唱団(台湾)

第10回(1993年)

カテゴリ-A
総合1位
ヤウナムジカ(リトアニア)
総合2位
京都アカデミー合唱団(京都府)
総合3位
長庚室内合唱団(台湾)

カテゴリ-B
総合1位
ヤウナムジカ(リトアニア)
総合2位
長庚室内合唱団(台湾)
総合3位
京都アカデミー合唱団(京都府)

グランプリ
ヤウナムジカ(リトアニア)

第11回(1994)

総合1位
VANCOUVER CHAMBER CHOIR(カナダ)
総合2位
In Cantores Male Choir(大韓民国)
総合3位
MIWO Madrigal Singers(岐阜県)

第12回(1995)

総合1位
The Girls' Choir"ELLERHEIN"(エストニア)
総合2位
ミオヴォーカルアンサンブル(岐阜県)
総合3位
ミオレディースアンサンブル(岐阜県)

第13回(1996)

総合1位
ERIK WESTBERGS VOKALENSEMBLE(スウェーデン)
総合2位
花の環コーラス(千葉県)
総合3位
TWILIGHT BELLS(大阪府)

第14回(1997)

総合1位
仁川女性文化センター合唱団(大韓民国)
総合2位
《EST》シンガーズ(三重県)
総合3位
長庚室内合唱団(台湾)

第15回(1998)

総合1位
長庚室内合唱団(台湾)
総合2位
Vocal Group "Muzika"(リトアニア)
総合3位
廣青合唱団(台湾)

第16回(1999)

総合1位
スバンホルムシンガーズ(スウェーデン)
総合2位
ギルトン・カレッジ・チャペル・クワイヤー・ケンブリッジ(イギリス)
総合3位
《EST》シンガーズ(三重県)

第17回(2000)

総合1位
《EST》シンガーズ(三重県)
総合2位
アンサンブル・ビクトリア(東京都)
総合3位
アコール《EST》(三重県)

第18回(2001)

総合1位
オックスフォード大学スコラ・カントゥラム(イギリス)
総合2位
カンティカム・メル(ベネズエラ)
総合3位
Ensemble Vine(京都府)

第19回(2002)

総合1位
モラン女声合唱団(イスラエル)
総合2位
《EST》シンガーズ(三重県)
総合3位
合唱団まい(長野県)

第20回(2003)

総合1位
なにわコラリアーズ室内アンサンブル(大阪府)
総合2位
Taipei Male Choir(台湾)
総合3位
Ensemble Vine(京都府)

第21回(2005)

総合1位
《EST》シンガーズ(三重県)
総合2位
オランダユース合唱団(オランダ)
総合3位
フォルモサ合唱団(台湾)

第22回(2006)

入賞
TWILIGHT BELLS(大阪府)

第23回(2007)

総合1位
《EST》シンガーズ(三重県)
総合2位
Muller Chamber Choir(台湾)
総合3位
Choeur Chene(奈良県)

第24回(2008)

総合1位
TWILIGHT BELLS(大阪府)
総合2位
ウィスティリア アンサンブル(北海道)
総合3位
《EST》メンズクワイヤ(三重県)

第25回(2009)

総合1位
Taipei Male Choir(台湾)
総合2位
Lirica(ベルギー)
総合3位
Guinness Singers(大阪府)

第26回(2010)

総合1位
Guangdong Experimental Middle School Choir(中国)
総合2位
Taipei Ladies Singers(台湾)
総合3位
TWILIGHT BELLS(大阪府)

第27回(2011)

総合1位
愛知高等学校(愛知県)
総合2位
和歌山児童合唱団(和歌山県)
総合3位
安積合唱協会(福島県)

第28回(2012)

総合1位
愛知高等学校(愛知県)
総合2位
ReChords Vocal ensemble(インドネシア)
総合3位
JCDAユース合唱団(大阪府)

第29回(2013)

総合1位
Guangdong Experimental High School Choir(中国)
総合2位
The Cygnus Vocal Octet(東京都)
総合3位
愛知高等学校(愛知県)

第30回(2014)

総合1位
愛知高等学校(愛知県)
総合2位
The Singers Vocal Ensemble(シンガポール)
総合3位
アコール《EST》(三重県)

第31回(2015)

総合1位
Aleron(フィリピン)
総合2位
豊田市少年少女合唱団ユース(愛知県)
総合3位
Johor Bahru Chamber Choir(マレーシア)

第32回(2016)

総合1位
Youth Choir "Kamer..."(ラトビア)
総合2位
Collegium Vocale Seoul(韓国)
総合3位
Youth Choir "Kamer..."(ラトビア)
聴衆審査特別賞
Youth Choir "Kamer..."(ラトビア)

第33回(2017)

総合1位
IMUSICAPELLA(フィリピン)
総合2位
IMUSICAPELLA(フィリピン)
総合3位
VOCI BRILLANTI(愛知県)

第34回(2018)

総合1位
Wah Yan College Kowloon Boy's Choir(香港)
総合2位
≪EST≫シンガーズ(三重県)
総合3位
Don Bosco Makati-Boscorale(フィリピン)

第35回(2019)

総合1位
Mixed Choir MASKA(ラトビア)
総合2位
Taichung Chamber Choir(台湾)
総合3位
清教学園中・高等学校合唱部(大阪府)

第36回(2021)※延期開催

1位
聖霊高等学校聖歌隊(愛知県)
2位
Smile♪(福井県)
3位
Ohta Laboratory(東京都)

第37回(2022)

1位
Ensemble Carpe Diem(兵庫県)
2位
VOCI BRILLANTI(愛知県)
3位
Voces Ksa:na(大阪府)

第38回(2023)

1位
≪EST≫シンガーズ(三重県)
2位
mugs(東京都/埼玉県)
3位
京都女子高等学校コーラス部(京都府)