大谷内 映(ピアノ部門第1位)

2022年6月25日(土)に「第32回宝塚ベガ音楽コンクール本選(ピアノ部門)」を宝塚ベガ・ホール(宝塚市清荒神1丁目)で開催し、入賞者が決定いたしました。
 同コンクールは有能な演奏家を発掘・育成し、音楽文化の向上に寄与することを目的に平成元年から毎年実施しておりましたが、昨年に続き、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため予選をオンライン審査で実施いたしました。
 本選には予選審査を通過した16名が出場。審査の結果、1位に大谷内 映さん(21歳、東京都国分寺市)が選ばれ、賞状と賞金50万円が贈られ、併せて兵庫県知事賞も受賞されました。大谷内さんには、令和5年(2023年)に宝塚ベガ・ホールで開催予定の入賞記念演奏会「ベガ・ウィナーズコンサート」(主催:宝塚市文化財団)に出演していただきます。
 また、3年振りに聴衆審査員による審査が実施され、聴衆審査員特別賞には東 祐輔さん(24歳、東京都足立区)が選ばれました。


第32回宝塚ベガ音楽コンクール 審査結果(ピアノ部門)


順位氏名年齢出身地
1位大谷内 映 (おおやうち あきら)21東京都国分寺市
2位東 祐輔 (あずま ゆうすけ)24東京都足立区
3位松浦 野歩 (まつうら のぼ)25東京都府中市
4位津野 絢音 (つの あやね)18東京都新宿区
4位鈴木 愛美 (すずき まなみ)20大阪府箕面市
入選渡部 陽翔 (わたなべ はると)22兵庫県神戸市
入選細川 萌絵 (ほそかわ もえ)23大阪府八尾市
入選山本 陽世 (やまもと ひよ)19兵庫県神戸市
入選内山 健 (うちやま たける)28千葉県八千代市
入選森上 あずさ (もりがみ あずさ)29京都府亀岡市
入選東出 麻鈴 (ひがしで まりん)20滋賀県大津市
入選金﨑 瑞希 (かねざき みずき)19福岡県北九州市
入選上本 壮真 (うえもと そうま)20三重県伊賀市
入選澤井 美樹 (さわい みき)21大阪府吹田市
入選鶴岡 空輝 (つるおか そらき)24兵庫県川西市
入選福田 万弥 (ふくだ まみ)21東京都練馬区
兵庫県知事賞大谷内 映
聴衆審査員特別賞東 祐輔

※入選は出演順。
※年齢は2022年6月25日時点。


■講評:練木 繁夫 審査員長


まず、このコンクールを支えてくださっている宝塚市・宝塚市文化財団、そして運営にご尽力いただいている全ての関係者の皆様に御礼を申し上げます。審査員に招待いただき審査員を代表して御礼申し上げます。今年のピアノ部門はすごくレベルが高かったと思います。入賞された方だけではなく、本選に残られたすべての方々に、おめでとうという言葉が相応しい演奏者がとても多かったと思います。私たち審査員の仕事はもちろん上手い人に点数をつけること。審査の過程では曲の理解力や楽譜の裏まで読んで作曲家の意図したことをどういうふうに音であらわそうとしているかについて審査し、その結果少しずつ差が出てきます。また、入賞者には宝塚ベガ音楽コンクールの入賞経験が一生のものとなります。それが相応しいかどうか、そして、主催者や支えてくださっている運営の方々が誇りに思えるようなピアニストを選ぶことが仕事だと思っています。今日は入賞者の中では誰が1位になってもおかしくないレベルだった。皆さん誇りに思ってください。本当にすばらしかった。16名の演奏を聴いていて私も未だに弾き方や解釈で学ぶ点があるのでこちらも有意義な時間でした。おめでとうとありがとうを伝えたいと思います。



佐川 和冴(ピアノ部門第1位)

2021年9月3日(金)に「第31回宝塚ベガ音楽コンクール本選(ピアノ部門)」を宝塚ベガ・ホール(宝塚市清荒神1丁目)で開催し、入賞者が決定いたしました。
 同コンクールは有能な演奏家を発掘・育成し、音楽文化の向上に寄与することを目的に平成元年から毎年実施しておりましたが、昨年は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止となりました。今年は6月に予選・本選と実施予定でしたが、4月22日に兵庫県に発令された緊急事態宣言のため、予選を急遽、映像審査に変更し、本選を9月に延期しました。
 本選には予選のオンライン審査通過した16名が出場。審査の結果、1位に佐川和冴さん(22歳、埼玉県在住)が選ばれ、賞状と賞金50万円が贈られ、併せて兵庫県知事賞も受賞されました。佐川さんには、令和4年(2022年)に宝塚ベガ・ホールで開催予定の入賞記念演奏会「ベガ・ウィナーズコンサート」(主催:宝塚市文化財団)に出演していただきます。


第31回宝塚ベガ音楽コンクール 審査結果(ピアノ部門)


順位氏名年齢出身地
1位佐川 和冴 (さがわ かずさ)22埼玉県志木市
2位門脇 勇樹 (かどわき ゆうき)21島根県松江市
3位北原 義嗣 (きたはら よしつぐ)22東京都国立市
4位清水 陽介 (しみず ようすけ)22京都府京都市
5位加古 彩子 (かこ あやこ)20兵庫県神戸市
6位荒石 果穂 (あらいし かほ)21大阪府羽曳野市
入選田村 果林 (たむら かりん)25兵庫県川辺郡猪名川町
入選鈴木 杏菜 (すずき あんな)21京都府京都市
入選増田 達斗 (ますだ たつと)29愛知県田原市
入選髙橋 莉央 (たかはし りお)23岐阜県加茂郡川辺町
入選高浪 杜和 (たかなみ とわ)21愛知県名古屋市
入選杉本 沙織 (すぎもと さおり)25大阪府門真市
入選津野 絢音 (つの あやね)18東京都港区
入選久保 英子 (くぼ はなこ)22兵庫県神戸市
入選永井 晶人 (ながい あきと)20大阪府枚方市
入選赤星 里奈 (あかほし りな)31滋賀県近江八幡市
兵庫県知事賞佐川 和冴

※入選は出演順。
※年齢は2021年9月3日現在。
※聴衆審査員特別賞は今回ございません。

■講評:山上 明美 審査員長

 本日はライブ配信ということで、直接お話することができませんがひとこと感想を述べさせていただきます。
 まず本選に残られた16名の素晴らしい演奏を聞かせていただきありがとうございました。昨年からのコロナ禍によりコンクールが1年延期されまして、予選は初めての映像審査となりましたが、例年以上に多くの方が参加され、レベルの高さも伺えました。様々な違う環境で録画をされ提出いただきました映像を、審査員全員が全て聴かせていただき、その中から16名が選ばれて本日の本選会に臨まれました。
 巣ごもり生活が続いている中で、今日は、久々のホールということで、皆さんのびのびと自分の演奏を楽しんでおられたのではないかと感じました。またその中で、久しぶりに大きなホールで弾くため、響きを聴く余裕がなかった方も、もしかしたらあったかもしれません。個々のアドバイスは審査員の先生に書面でいただいておりますので、それを参考にして、また次につなげていただけたらと思います。しかしながら、本日皆さんの大変個性的な素晴らしい演奏を聴くことができ、本当に楽しませていただけたことをとても嬉しく思います
 このコンクールが、演奏者の方の登竜門となって、これから羽ばたいていただけたらと思っております。これからも皆さんのご活躍を祈っております。本日はありがとうございました。

■総評:奥村 智美 コンクール委員会理事長

 本日は、第31回宝塚ベガ音楽コンクールピアノ部門の本選を開催できましたこと、そして、無事に終了することができましたことを本当に喜びといたしております。
 皆様もご存知かもしれませんが、このコンクールは昨年中止となりました。今年もまた、中止かというようなコロナの状況になっておりますが、私達はもう絶対にそうしたくないと、強く心に決めました。と申しますのは、両部門を通しまして、申し込んでくださった方は、280人余りありまして、この若い演奏家たちの努力を無駄にしたくないと思ったからです。
 今日に至るまで様々なことがございまして、聞いていただきたいこともたくさんありますが、コロナ禍のため、できるだけ短くと思いますので、皆様に向けてのお礼とお喜びを一言申し上げたいと思います。
 先ほど入賞者の発表がございました。優勝された佐川さんおめでとうございます。また、
1位から6位までの入賞者の皆さんおめでとうございます。そして、本日演奏してくださった皆さん入選おめでとうございます。本来ならば、ここで盛大に表彰式を行い、多くの方に拍手を頂いて、共に喜びたいところですが、このような状態になってしまいました。本当に残念でございます。それでも皆さんお喜びをどうぞ静かに胸に留めていただきまして、これからのご活躍に励んでいただきたいと思います。そして、これからの日本の音楽界にはばたいていただきたいと願っております。
 今回、予選の動画審査から、本日一日中審査してくださいました先生方どうもありがとうございました。最後になりましたが、今日に至るまでこのコンクールを支援くださいました宝塚市、宝塚市文化財団の皆様、コンクール委員の皆様、運営スタッフの皆様、ありがとうございました。来月には木管の本選がございますが、またどうぞよろしくお願いいたします。
 これからの宝塚ベガ音楽コンクールの発展に温かいお心をくださりご支援くださいますように心からお願い申し上げます。今日は本当にありがとうございました



山田大智(声楽部門第1位)

2019年7月7日(日)に「第30回宝塚ベガ音楽コンクール本選(声楽部門)」を宝塚ベガ・ホール(宝塚市清荒神1丁目)で開催し、入賞者が決定いたしました。
同コンクールは、有能な演奏家を発掘・育成し、音楽文化の発展、向上に寄与することを目的とし、地元演奏家の協力のもと平成元年(1989年)から実施しています。
1位に山田大智さんが選ばれ、賞状と賞金50万円が贈られ、併せて兵庫県知事賞も受賞されました。山田さんには、令和2年(2020年)に宝塚ベガ・ホールで開催予定の入賞記念演奏会「ベガ・ウィナーズコンサート」(主催:宝塚市文化財団)に出演していただきます。
このほか、一般公募の審査員28名によって、最も印象に残った演奏者に贈られる「聴衆審査員特別賞」には吉田一貴さんが選ばれました。


第30回宝塚ベガ音楽コンクール 審査結果(声楽部門)


順位氏名年齢現住所
1位山田 大智 (やまだ たいち)36東京都豊島区
2位石井 基幾 (いしい もとき)27東京都豊島区
3位寺田 功治 (てらだ こうじ)36東京都豊島区
4位和田 悠花 (わだ ゆうか)27東京都渋谷区
5位野口 真瑚 (のぐち まこ)21京都府京都市
6位周防 彩子 (すおう あやこ)35千葉県市川市
6位吉田 一貴 (よしだ かずき)25東京都板橋区
入選片山 美穂(かたやま みほ)26大阪府豊中市
入選中西 惠子 (なかにし けいこ)32東京都新宿区
入選的場 正剛 (まとば まさたか)32東京都板橋区
入選内山 歌寿美 (うちやま かすみ)23大阪府富田林市
入選鬼一 薫 (きいち かおる)37兵庫県三木市
入選前川 健生 (まえかわ けんしょう)33東京都板橋区
入選畑 奨 (はた すすむ)32大阪府大阪市
入選奥田 敏子 (おくだ さとこ)33奈良県奈良市
入選藤村 江李奈 (ふじむら えりな)35滋賀県大津市
入選澤原 行正 (さわはら たかまさ)33東京都目黒区
兵庫県知事賞山田 大智
聴衆審査員特別賞吉田 一貴

※入選は出演順。
※年齢は2019年7月7日現在。

■講評: 高 丈二 審査員長

皆さんお疲れ様でした。
最初からお聴きになった方は、5時間半の長丁場でした。出場者の皆さん本当に素晴らしい方ばかりでした。
予選の時から聴いていましたが、予選の時も素晴らしい。
この宝塚ベガ音楽コンクールが、これほどレベルの高いコンクールだと、実は知りませんでした。こちらに来て驚いた次第です。
こういう素晴らしい演奏を聴いたのに、今日の入場料を聞いて安い、今日聴けて皆さんは本当に幸せですね。
日本の音楽レベルは向上しています。声楽だけでなく、器楽も世界での活躍はすごいものがあります。声楽はヨーロッパ・アメリカで、活躍している方、国内のオペラ・コンサートでもレベルは上がっています。この、宝塚ベガ音楽コンクールも、続けてやっていただきたいと思います。
さて、講評なので、いいことばかりではだめなので、多少苦言を申し上げます。
みなさんそれぞれに、歌の表情、声が立派でした。体格の良さもありますが、今は情報が簡単に得られる、そういうこともあるのでしょう。
曲そのものの解釈はできています。一つ一つのフレーズ、歌と歌詞、メロディーをいかに自分で分析できるのかが問題です。曲の内容を深く調べないと解釈できません。
また、日本語の歌を歌うとき、あまりにも日本語を鮮明に出そうとしすぎています。ごつごつと聞こえます。
メロディーがあることを忘れないように。さらに、いろんな国の言葉を考えて発音してください。英語でもドイツ語、フランス語、イタリア語でも、歌と会話の発音の仕方では、自ずと変わってきます。歌で発音する時には気を付けてください。会話の時とは違うので。良く考えて取り組まないと、あいまいになります。
ご参加いただいた出場者の方には、長時間ありがとうございました。
審査員一同を代表してお礼申し上げます。


吉田サハラ(ピアノ部門第1位)

2019年7月6日(土)に「第30回宝塚ベガ音楽コンクール本選(ピアノ部門)」を宝塚ベガ・ホール(宝塚市清荒神1丁目)で開催し、入賞者が決定いたしました。
同コンクールは、有能な演奏家を発掘・育成し、音楽文化の発展、向上に寄与することを目的とし、地元演奏家の協力のもと平成元年(1989年)から実施しています。
1位には吉田サハラさんが選ばれ、賞状と賞金50万円が贈られ、併せて兵庫県知事賞も受賞されました。吉田さんには、令和2年(2020年)に宝塚ベガ・ホールで開催予定の入賞記念演奏会「ベガ・ウィナーズコンサート」(主催:宝塚市文化財団)に出演していただきます。
このほか、一般公募の審査員17名によって、最も印象に残った演奏者に贈られる「聴衆審査員特別賞」には池田菫さんが選ばれました。


第30回宝塚ベガ音楽コンクール 審査結果(ピアノ部門)


順位氏名年齢現住所
1位吉田 サハラ(よしだ さはら)21東京都豊島区
2位生熊 茜 (いくま あかね)28大阪府吹田市
3位池田 菫 (いけだ すみれ)25大阪府豊能郡
4位大野 謙 (おおの けん)19東京都台東区
5位都筑 小百合 (つづき さゆり)24東京都杉並区
6位石丸 友貴 (いしまる ゆき)27宮城県仙台市
入選原田 莉奈 (はらだ りな)22東京都足立区
入選中島 光里 (なかしま ひかり)19京都府京都市
入選杉本 沙織 (すぎもと さおり)23東京都荒川区
入選三浦 颯太 (みうら そうた)18東京都調布市
入選久保 英子 (くぼ はなこ)20東京都板橋区
入選荒石 果穂 (あらいし かほ)19大阪市羽曳野市
入選佐々木 隆介 (ささき りゅうすけ)20東京都足立区
入選辻本 莉果子 (つじもと りかこ)21東京都豊島区
入選内門 卓也 (うちかど たくや)30東京都渋谷区
兵庫県知事賞吉田 サハラ
聴衆審査員特別賞池田 菫

※入選は出演順。
※年齢は2019年7月6日現在。

■講評: 練木 繁夫 審査員長

入賞なさった6人の方、おめでとうございます。素晴らしい演奏だったと思います。
そしてファイナルに残られた方々、おめでとうございます。
 私としては、今年の宝塚で選ばれたピアニストのオールスターガラコンサートとして聴けて、票を入れずに、演奏をエンジョイして帰ることができれば、こんな幸せなことはなかったのですが、審査員の仕事として、点数を付けなければならないという、とても苦しい仕事をやらなくてはなりませんでした。
 1位~6位を受賞された6人の方、そしてファイナルに残られた方々、皆さん素晴らしい演奏をなさったと思います。
そして、ここから成長し、「あの時に私達が審査したあの人がこういう風になったんだ」という様になってくれると、私たち審査員みんなが良かったなと思えることになります。
 ここで終わったのではなく、ここから先がある。
 もっと長い道のりがあり、この先のコンクールで優勝するというのも、一つの目標かもしれませんが、優勝も一つの入り口です。そこから一歩ずつ歩んでいくしかない。そして演奏家として成長をしていく。成長していく一つの過程として、コンクールという舞台があると私は思います。
皆さん素晴らしい演奏で勉強になりました。ありがとうございました。
 最後に審査員として、主催いただいた宝塚市、宝塚市文化財団、宝塚ベガ音楽コンクール委員会の関係の方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。


河島利香(ピアノ部門第1位)

2017年6月24日(土)に「第29回宝塚ベガ音楽コンクール本選(ピアノ部門)」を宝塚ベガ・ホール(宝塚市清荒神1丁目)で開催し、入賞者が決定いたしました。
同コンクールは、有能な演奏家を発掘・育成し、音楽文化の発展、向上に寄与することを目的とし、地元演奏家の協力のもと平成元年(1989年)から実施しています。
1位に河島利香さんが選ばれ、賞状と賞金50万円が贈られ、併せて兵庫県知事賞も受賞されました。河島さんには、平成30年(2018年)1月に宝塚ベガ・ホールで開催予定の入賞記念演奏会「ベガ・ウィナーズコンサート」(主催:宝塚市文化財団)に出演していただきます。
このほか、一般公募の審査員18名によって、最も印象に残った演奏者に贈られる「会場審査員特別賞」には福田優花さんと坂口航大さんが選ばれました。


第29回宝塚ベガ音楽コンクール 審査結果(ピアノ部門)


順位氏名年齢現住所
1位河島 利香 (かわしま りか)21大阪市大東市
2位葛原 寛 (かつらはら ひろし)19東京都足立区
3位福田 優花 (ふくだ ゆうか)21東京都北区
3位小森 野枝 (こもり のえ)24東京都調布市
5位横山 瑠佳 (よこやま るか)21東京都台東区
6位松田 彩香 (まつだ あやか)18神奈川県横浜市
入選櫻井 悠乃 (さくらい ゆうの)17東京都府中市
入選小林 遼 (こばやし りょう)24埼玉県飯能市
入選福原 満希 (ふくはら みつき)19奈良県桜井市
入選浦井 聴夫 (うらい としお)26富山県富山市
入選池田 菫 (いけだ すみれ)23京都府京都市
入選森崎 愛弓 (もりさき あゆみ)19東京都北区
入選横江 智至 (よこえ さとし)23東京都豊島区
入選栁澤 光彦 (やなぎさわ みつひこ)30千葉県松戸市
入選坂口 航大 (さかぐち こうた)23大阪府枚方市
兵庫県知事賞河島 利香
会場審査員特別賞福田 優花・坂口 航大

※3位ならびに入選は出演順。
※年齢は2017年6月24日現在。

■講評: 植田 克己 審査員長

 まずは、このコンクールに何度も招聘していただいていることにお礼を申し上げたいと思います。そしてまたこのコンクールは宝塚市、宝塚市文化財団、市民のみなさんによって支えられているコンクールであり、敬意をもって接してきました。本日、本選を迎え、その思いは益々強くなりました。まず今日この時を無事に迎えたことを喜びたいと思います。
 一昨年も審査をさせていただきましたが、その時より参加者が増えていると聞き、嬉しく思っております。また、目標に向かって挑戦したい、音楽の道をこれを機会に極めてみたいという方が増えたことを喜んでいます。参加される方が増え、レベルも上がったように思います。予選では本選に進まれた15名以外にも、もう一度聴きたいと思った方が数人はいました。本日の15名の熱演に圧倒されてエネルギーをいただいただけでなく、名曲の良さや味わいを私達に届けていただいたことに感謝しています。
 自由曲については皆さん得意な曲を演奏されていると思いますので、ベートーヴェンの課題曲についてお話します。ベートーヴェンは他の作曲者には無い強い意思を記譜に託しています。モーツァルトやバッハ、シューベルト、あるいはショパンやリストとも違うベートーヴェンならではの記譜を持ちます。アレグロなのかアレグロ コン ブリオなのか、あるいはアダージョなのかアンダンテなのか、その表現の差を考えていただきたい。4分の2拍子なのか。基本となるリズムが8分音符なのか、4分音符なのか。ベートーヴェンはこと細かに記譜をして、我々に示しています。その読み方によっては、違う表現があるかもしれない、テンポについてももう少し違う考え方があるかもしれない、ということを考えて幅広く勉強してほしいという風に思いました。決められたコースにのって、ひとつのことを繰り返し勉強するだけではなく、その都度違うヴァリエーションを自分の中に持てると、もっと違った表現、もしくは音が聴こえてくるのではないでしょうか。典型的な例として、クレッシェンドし、フォルテが強く続くときにスビト ピアノ、「急に弱く」という表示が出てきます。みなさんはそこを意識され、苦労されたと思いますが、そのスビト ピアノが使われる場所によって、あるいはハーモニーによって違いがあるかもしれません。そういう可能性をもっと伝えてほしいと思いました。
 もうひとつ気になったことは、ソナタ形式で提示部と同じ表現を再現部に求めている方がいらっしゃいました。音符や流れは一緒であることも多いですが、使われている調性が違っているため、表現や響きの違い、音域の違いができます。ベートーヴェンは曲によって、様々な変化を加えたりしていますので、そこをもっと伝えてほしいと思います。ご自身の感性も大切にしてほしいですが、作曲家が残した記録、記譜と深いところで結びつき、ますます研鑚を積まれますよう、心から願っております。
 入賞、入選された皆さま、そして残念ながら本選に進まれなかった皆さまのすべての方々に、同様に申し上げたいと思います。ご清聴ありがとうございました。